「おい、ナルト
「おい、ナルト。起きろ」
そんな声がして、頭振りながら目を開けた。見たことのない石の天井。薄暗い部屋に差し込む光が、目の前に座ってるサスケを照らし出す。
「あれ…サスケ?任務、どうなったっけ?」
「思い出せ。古代遺跡の調査中にお前が変な封印を触った。それで気を失ったんだ」
サスケの口調は相変わらず冷たいけど、ちょっと眉をひそめてる。起き上がろうとして、自分の格好に気づいた。真っ白な結婚衣装…襟元に金糸の刺繍、袖は何重にもなってて、すげえごてごてしてる。
「な、なんだこれ!」
慌てて指を見ると、左手の薬指に変な紋様が浮いてる。同じのがサスケの右手にも。二人同時に見合わせた。
「冗談だろ…」
声が震えた。
綱手の診断は簡潔だった。「これは『誓約の呪印』って古代の封印術。発動した二人を結婚状態で縛って、チャクラをじわじわ消費するの。愛情表現でしか止められないんだって」
ナルトは笑いをこらえるように口を押さえた。サスケは無表情で指の紋様を睨んでる。
「解く方法は?」
「自来也の研究ノートに書いてあるはず。彼は古代術式に詳しかったから。幸い、遺跡の一角に隠し書庫があった場所を覚えてる。そこに手がかりがある」
それから、二人は仕方なく同じ屋根の下で寝起きすることになった。朝、ナルトが目玉焼き作ろうとして見事に焦がし、サスケがため息つきながら味噌汁と焼き魚をさっと作った。その手際にナルトはちょっと感動。
「お前、料理できるんだな」
「集中して見るな。気が散る」
そんなサスケの耳が赤くなってるのを見て、ナルトはにやっとした。
数日後、自来也のノートの断片が見つかった。そこには「真実の愛の証」が必要って書いてあるけど、具体的な方法はなし。ナルトは「つまり俺ら、好きって認め合えばいいってこと?」と軽く言ったが、サスケは無言でその場を離れた。気まずい沈黙が流れる。
その夜、ナルトは寝てるサスケの顔をじっと見た。規則正しい呼吸、緩んだ眉。普段の鋭さが嘘みたいな、無防備な寝顔。胸の奥がじんわり熱くなった。
「ばか…かっこいいんだよ、お前は」
自分でも驚くほど小さな声。でもその瞬間、サスケのまぶたが震えた。
運命の日が来た。任務中の戦闘でチャクラが底をつきかけた時、敵の攻撃がサスケに向かった。考えるより先に体が動いて、後ろからサスケを抱きしめてた。
「サスケ!守るって決めたんだ。絶対に離さねぇ!」
叫びながら、気持ちが言葉に溢れ出る。
「大好きだ!昔からずっと、お前が一番だったんだ!」
その瞬間、指の紋様が金色に光った。チャクラの消耗が止まり、力が奪われる感覚が消える。でも封印は完全には解けなかった。サスケの目が見開かれる。
「…まだ終わってない」
サスケはゆっくりナルトの腕を解き、真正面から向き合った。その黒い瞳に、何かが揺れてる。
「俺もだ。お前の笑顔に、お前の馬鹿な優しさに、心を奪われてた。認めたくなかったけど…」
彼は深く息を吸い、言った。
「愛してる。馬鹿なナルト」
封印が完全に解けた。光が二人を包み、紋様が跡形もなく消える。代わりに、温かい何かが胸の奥で結ばれる感覚。
その場に崩れ落ちた二人は、しばらく言葉を失った。サスケが先に口を開く。
「…二度と言わせるな」
「言わせといて何言ってんだよ!」
ナルトは笑った。涙がこぼれそうなのを必死にこらえながら、サスケの手を握り返した。
里に戻ったら、カカシ先生やサクラたちにすげえ驚かれた。でもナルトとサスケは、前より自然に隣に立ち、任務にも協力して臨むようになった。たまに誰もいない場所で二人きりになって、甘い言葉を交わすこともある。
「ラーメン、行かねぇ?」
「…味噌なら付き合ってやる」
日常は変わらない。でも、その一瞬一瞬が、二人の間で特別な意味を持ち始めてる。
故事詳情
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